1. 法人設立がワンストップで

法人設立がワンストップで

◆ネットで一括申請が可能に

株式会社を作るためには、必要な書類を揃えたり、各行政機関に出向いて手続きを行わらなければなりませんが、2019年度にも、複数の手続きをインターネット上で、一括申請できるシステムが導入されます。

現在、法務局では「登記ねっと」、税務署では「e-Tax」、ハローワークや年金事務所などは「e-Gov」、さらに各地自体の税事務所は「eLTAX」といった、それぞれの異なるシステムを利用しており、申請者側は、法人名、会社所在地、代表者名など、システムごとに何度も同じ内容の入力をしなければならない手間が発生していました。また、その操作方法も画一的ではなく、それぞれ異なるため、利用者側のストレスは少なくはありませんでした。

政府が掲げる、「ワンストップサービス」の提供により、利用者は一括申請ができるようになることで、一気に手続きが簡素化され、手間が減るだけではなく、手続き漏れも防ぐことが出来るようになると思われます。役所での手続きは煩雑で、なんとなく面倒と感じてしまいがちという方も多いかと思いますが、直接出向くことなく、インターネット上で完結できるようになると、今後、起業を考える人の心理的、また時間的なハードルも下がるのではないでしょうか。起業家を後押しするきっかけになるかもしれません。

既に動き出しているものについて、少しご紹介させていただきます。
まずは2018年度から、現状は公証役場に出向かなければならなかった「定款」の認証がネット経由でも認められるようになります。この定款の認証は、会社を作るうえで必ず必要な手続きです。認証を行うのは公証人と呼ばれる人ですが、申請者は、公証人に手数料5万円を支払ったり、面談の時間を確保したりといった負担が発生していました。(但し、ネット申請になっても手数料はそのまま残るそうですが…)そもそも「定款」とは、会社のルールブックのようなもので、会社の情報や、事業内容、また、会社内の規則などを記した書類のことです。従来は、この書類を本店所在地と同一の都道県内にある、公証役場に行き、認証を受けなければなりませんでしたが、ネット経由が可能になるそうです。
また、19年度には、「マイナポータル」の基盤を活用して、ワンストップサービスを提供していくようです。この「マイナポータル」は、政府が運営しているオンラインサービスで17年から稼働しており、電子申請手続の全国横断的な検索、比較、申請が可能なシステムです。利用イメージは、申請者が一度手続きすれば、マイナンバーで法人の設立者の本人認証を行い、登記以降の必要な手続きを完了できるようになります。法務局・税務署・労基署・ハローワーク・健康保険組合などの機関は、マイナポータルを通じて必要情報を共有します。最終的に、20年度には登記手続きも含めた全手続きもワンストップで行えるように制度を改正し、システムの構築を進める予定とのことです。

◆手続きの簡素化、時間の短縮の動きが他にもあります!

会社の設立には会社の本所所在地を管轄している法務局で、登記の申請を行うことが必要となります。登記の申請から完了まで、現状は1週間から10日程度かかりますが、この期間を最短1日程度に縮める新システムも20年度中に導入の見込みだそうです。
また、登記申請時には、代表者の印鑑の届出が必要とされていますが、これを任意制に変更し、添付書類の削減を目指す動きもあるようです。押印に代わる方法として、マイナンバーカード等を用いた電子署名や、電子証明書の届出などが検討されています。
オンラインで「いつでも」使えて、手続きがワンストップで「簡単」、またデジタル化で「スピーディー」が実現されれば、利用者の使いやすさはぐんと向上するでしょう。

◆起業の活性化

日本の会社設立までのプロセスは、国際的にも非効率な仕組みだそうです。日本と欧米諸国との起業環境を比較してみると、日本は起業にかかる日数・費用ともに高く、起業のしやすさの総合順位は89位というデータを見つけました。
例えば、このランキングで16位のイギリスを見てみると、起業に要する手続き数は4つ(日本は倍の8つ)、起業に要する日数は4.5日(日本は11.2日)となっていました!先程の登記完了までかかる日数も、既にイギリスやフランスなどでは、1日以内を実現しているそうですよ。英国では、政府がスタートアップ向けの融資ローンを充実させたり、なんと2014年には、5~11歳の子供に5ポンドを支給して、1ヶ月間事業を経営させ、小さいころから教育の現場で起業への関心を持たせたりなど、実質的な支援から、若年層への起業意識の掘り起こしに至るまで、開業率の増加を後押しする施策を行っているそうです。

日本における、ワンストップ化の動きも、ビジネス環境の改善によって、ベンチャー企業の育成に繋げていきたいという思惑があるようですね。手続きの簡素化は起業の拡大につなげるための第一歩というところでしょうか。これからもこの動きに注目していきたいと思います。

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